新車や中古車を購入するとき、必ず「納車」というイベントが発生する。

それは注文していただいた商品を引き渡すためのイベントで、車の購入とは切っても切れないものといえる。

また一部の高級車では「納車式」という式まで用意するほどであり、新しい車の購入をディーラーが祝福してくれるのだ。

しかし納車をするにあたり、正直なところ

  • 注文してからどれくらいの日数がかかるのか
  • 新車と中古車では納車が異なるのか
  • 納車には別途費用が必要なのか
  • 日柄はやはり気にするべきなのか

など、気になることが多い。

そして上記のように気になっていることについて、仮に間違った解釈をしてしまうと後々大きく落ち込んでしまうことになりかねない。

そこで今回はディーラーの現役営業マンをしている筆者が、車の納車について詳しく説明していこう。

「ただ車を引き渡すだけ」と考えている人は、特にきちんと読み進めておくことをオススメする。

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1.納車は7ステップで「新車1ヶ月」「中古車2週間」が必要になる

納車を簡単に説明すると、あなたのイメージ通り「注文された車をお客様に引き渡すこと」である。

しかし納車までには、お客様からは見えない裏側で様々な手続きがされているのだ。

そこで早速、下記に注文から納車までの手続きについて図解しておいたのでご覧いただきたい。

注文から納車までの流れ

注文から納車までの流れ

この図をご覧になると分かるように、注文~納車までには、7つのステップがあるのだ。

その結果として新車では納車までにおおむね1ヶ月程度かかることが多いといえる。

また中古車の場合には「車両の引き当て」がなくなるため、新車と比較して1~2週間の短縮が可能といえる。

とはいえ知らない作業も含まれているかと思うので、それぞれ以下に分けて簡単に説明していこう。

STEP1.注文

注文とはいわゆる「売買契約」のことである。

そのためこの時点で、あなたが希望する車種を購入するという意思表示をしていく。

また注文時には価格の最終確認や仕様確認、そして重要事項の説明(入金日や納車予定日の説明など)をするため、1日が必要となる。

STEP2.車両の引き当て

車両の引き当てとは「すでに出来上がっていて工場に保管されている車両を、注文者用に予約する」ということを指している。

つまり基本的にはあなたが注文してから車が作られるのではなく、実は在庫車から引き当てられているというイメージになる。

しかし人気車種で製造が追いついていない場合や、希少なメーカーオプションの組み合わせをしている場合には、工場在庫が無いため注文後の生産となり時間が余分にかかってしまうのだ。

また工場在庫がない場合、新たに「生産ラインでの製造予約」をしなくてはならず、その結果として最大6か月程度の時間がかかることになる。

つまりまとめると、

  • 工場在庫から引き当てられる場合…1~2週間程度でディーラーに到着
  • 新規で生産する場合…1~6か月程度でディーラーに到着

となるため、この部分で納車までの期間が延びることが多いといえる。

STEP3.必要書類の準備

必要書類とは、陸運局(車検場)で車を新規登録するための書類であり、下記の3つが必要とされる。

  • 所有者になる人の印鑑証明
  • 所有者の実印が押印された委任状
  • 車庫証明

それぞれ以下に分けて簡単に説明していく。

1.所有者になる人の印鑑証明

所有者になる人があなたの場合、あなた自身が市区町村役場や出張窓口などで印鑑証明の取得をする必要がある。

そして印鑑登録がまだの場合には、窓口で登録予定の印鑑の提示や申請書の記入が必要だが、申請~取得まで1日で完了する。

しかし銀行などでローンを組み、ローン会社などが所有者となる場合には、該当するローン会社の印鑑証明が必要になる。

とはいえその場合には「車の購入をする」という前提でお金を借り、契約するため最初から用意してくれるのが普通である。

2.所有者の実印が押印された委任状

あなたが所有者の場合には、ディーラーの営業マンから渡された委任状に実印を押印しておけば問題ない。

一方、所有者がローン会社などの場合には前述した印鑑証明と同様に、あらかじめ用意してくれるので心配する必要はないといえる。

また委任状の必要性は「登録にかかる手続きを、ディーラーなどに依頼する」という意味を持っているため、必ず必要になる。

3.車庫証明

車庫証明は軽自動車の登録の際には必要ないのだが、普通車の登録をする場合には必要となる。

なぜなら保管場所を確保できない車は、交通の妨げになってしまうからだ。

そのため基本的に車を登録するためには車庫証明を取得しておく必要がある。

また車庫証明の取得は申請~取得までにおおむね3~5日が必要であるため、余裕をもって1週間前には準備しておきたいところだ。

自分で車庫証明の申請をし、数万円もお得になる方法については下記に詳細な説明をしているので、ぜひご覧いただきたい。

以上3つの書類がそろえば、あとはディーラーが陸運局にて車両の登録をしてくれる。

STEP4.車両の点検

納車前に、ディーラーの手が空いているタイミングで「車両の点検」が行われる。

というのも出荷時には工場の基準を満たして生産された車両ではあるものの、お客様に納車する前の「もう一度細部を点検する」というように、念には念を入れているのだ。

そして点検項目は、大まかに

  • 足回り…ブレーキやホイールに緩みや不具合がないか、タイヤの空気圧は適正か
  • エンジンルーム…オイル漏れやにじみがないか
  • 電装系…ランプ類、エアコンなどは正常に作動するか
  • その他…全体的な不具合がないか

を見ていくことになる。

もちろんそもそも基準を満たしている車両ではあるが、ディーラーとしては「最悪の事態を未然に防ぐため」という観点で点検するため、この部分にかかる時間は仕方のないことといえる。

STEP5.車両の登録

乗用車の場合、陸運局(車検場)に車を持っていき、登録をすることは少ない。

そのため前項の点検と同じタイミングで登録をすることが多い。

登録に必要なのは先ほど紹介した3つの書類で、ディーラーが手続きを代行してくれる。

また登録にかかる時間は書類上のやり取りだけだが、

  • 申請
  • 車検証の発行
  • ナンバーの発行

がその日中に行われるため、丸1日必要になってしまう。

STEP6.車両の磨き

車両の磨きは多くのディーラーで実施されているが、ほとんどが外注業者に委託している。

というのも外注業者は車両をきれいに磨くだけではなく、磨いている最中に見えにくい傷などに気が付いてくれ、補修も同時にしてくれることが多いのだ。

実際にかかる時間としては1~2時間だが、外注作業であるため「磨き業者の空き時間による」というのが本音である。

そのため最大で1週間程度待たされることもあるということは、頭に入れておくべきだろう。

STEP7.納車

納車はあらかじめ予定していた日付に、車を渡すだけではない。

なぜなら納車時には

  • 傷や凹みの確認
  • 車両の操作説明

などを受けるため、実は意外と時間がかかるからだ。

傷や凹みに関しては、納車時に気が付けばクレームとして「新しい車両の引き当て」「その分の再値引き」などの対応をしてくれる。

そのため必ずあなたが納得できるまで、納車時には車両の状態を確認することがオススメである。

また車両の操作説明に関しては意外と重要で、車種ごとに大幅に操作が異なることも珍しくないため、必ず一度は聞いておきたい部分といえる。

というのも説明書を開いて自分で調べるよりも、販売&操作に慣れた営業マンから説明を受けた方が100倍速く理解できるからだ。

まさに百聞は一見に如かずといえるだろう。

以上が注文から納車までにかかる日数の詳細な説明だったが、ご覧いただくと「意外と見えない部分で時間がかかる」ということは理解できただろう。

そこで次に、主な人気車種と不人気車種でどの程度の納期がかかるのか、紹介していこう。

2.人気車種&不人気車種の納期は最大3ヶ月差!

早速、下記に2018年7月現在の「人気車種と不人気車種の納期」をまとめた表を載せておくのでご覧いただきたい。

車名 納期
人気車種 アルファード 4ヶ月
ランドクルーザープラド 1~2ヶ月
プリウス 1ヶ月以内
不人気車種 アリオン 1ヶ月
カムリ 1ヶ月以内
プレミオ 1ヶ月以内
※出典元:トヨタのカーラインナップから「各車種の工場出荷時期目途のご案内」より

ご覧のように、最大で3か月差となることが分かる。

ただし人気車種の新型が販売開始されてから2~3か月以内は、納期を照会しても5~6ヶ月待ちとなるケースもある。

人気車種の場合にはある程度時間に余裕をもって納車待ちをする必要があるのだ。

また前述したように希少オプションによって納期が遅れることもあるのだが、その代表的なものを下記に挙げておこう。

  • 自動スライドドアを「手動」に変更するオプション
  • リーフスプリング車のスプリング変更オプション
  • メーカー改造オプション(公認改造で製造される車種など)

これらはメーカーの工場で特別な作業が必要になり、工場在庫として何台も置いておくことができない「売れにくい車種」となるため、受注生産が基本となる。

つまり1から製造していくため、納期は人気車種並みに遅くなることもあるのだ。

以上の説明から、車種や仕様によっても納車までに時間がかかるということが分かる。

しかし実は時間だけではなく「見えない部分でお金もかかる」というのが本当のところだ。

そこで次章では、納車にかかる費用の相場について説明していこう。

3.納車にかかる費用の相場

前述した7ステップには、すべてコストがかかってくる。

そのため見積もりには「納車費用」や「納車準備費用」という名称で料金が記載されている。

そして料金相場だが

  • モータース店(小規模店)…5,000~7,000円程度
  • 中規模店…7,000~10,000円程度
  • ディーラー、大手中古車販売店…8,000~12,000円程度

となっており、実はそれほど多くを取られることはない。

ただし登録にかかる法定費用(税金や登録手数料など)を合わせると、結果的に「車両価格の5~10%前後」が必要になるといえる。

ちなみに納車費用に関しては、価格交渉の材料として「無くさなくても良いが、あと数千円納車費用から削ってほしい」というと、ある程度譲歩してくれることが多い。

以上が納車費用の相場に関する説明だったが、ここまでご覧になって「時間と費用が必要」ということは十分に理解できただろう。

そのためあとは納車日について考えていくと良い。

そこで次章では、納車に最適な「日柄の良い日」について紹介していこう。

4.納車は日柄の良い日を選ぶと気持ちよし

日本人である以上、意外と気になるのが「お日柄」である。

そして日柄の中で代表的なのが「六曜」と言われるもので、納車に関していえば下記のような意味を持っている。

  1. 大安…最も吉日で「大安吉日」と言われることが多い
  2. 友引(共引)…共に引き分けとなる日で、良くも悪くもなく「凶」にはならない
  3. 先勝…「先んずれば勝つ」で、午前中の納車なら吉
  4. 先負…「先んずれば負け」で、あまり良い日とはいえない
  5. 赤口…11~13時限定の「吉」でそれ以外は「凶」となるため、時間のかかる納車日には向かない
  6. 仏滅…大凶日であるため、そもそも納車には向かない

つまり上記の中では「大安」「友引」「先勝」の3つが納車にはオススメできる日柄といえるのだ。

そこでこれからの納車日にオススメとなる3種類の日柄について、下記に該当日を2019年12月までピックアップしたのでご覧いただきたい。

2018年の縁起の良い日

2018年の縁起の良い日

2019年の縁起の良い日

2019年の縁起の良い日

それぞれ日付と曜日を記入しておいたが、どの月もおおむね「納車に適するのは土日で4~5日程度」ということになる。

そのため、あなたの予定に合わせて、納車日はおおよその納期から「○月〇日もしくは△月△日」と目途を付けておくとスムーズに進められるだろう。

また納車日の日柄を気にするのであれば、筆者としては「縁起がいいナンバー」にすることで、よりゲンを担ぐことをオススメする。

5.納車日を気にするなら縁起が良いとされるナンバーも選んでおくべき

納車日を気にするのであれば、筆者としては縁起を担いでナンバーも縁起のいいものにすることをオススメする。

というのも車のナンバーは自分の好きなものを選べるため、縁起のいいナンバーに関しても任意に選択することができるのだ。

そこで筆者がオススメする縁起のいいナンバーと、逆に縁起の良くないナンバーについて簡単な一覧表にまとめたのでご覧いただきたい。

縁起の
いいナンバー
1 11 111 1111
5 55 555 5555
7 77 777 7777
8 88 888 8888
縁起の悪い
ナンバー
4 44 444 4444
9 99 999 9999
4949 9494

縁起のいいナンバーについては、

  • 1…「良い」にかけている
  • 5…「GO」にかけている
  • 7…「ラッキー7」にかけている
  • 8…「∞」のような末広がり

という意味合いを込めて、選択した。

ただし一般社団法人全国自動車標版協議会のホームページで調べた結果、縁起のいいナンバーに関してはすべて「抽選による希望ナンバー(名古屋ナンバーでは)」ということが分かった。

そのため抽選の後、希望ナンバーが付与されることになる。

一方、縁起の悪いナンバーに関しては

  • 4…「死」を連想させる
  • 9…「苦」を連想させる

という理由から、4と9を選択している。

こちらは「9」の場合のみ抽選であるが、日柄を気にするのであれば避けるべきといえるだろう。

とはいえナンバーに関して筆者としては「自分に思い入れのあるもの」を選択するのがベストであり、最も気持ちよく乗れると思っている。

例えば

  • 結婚記念日
  • 子供の誕生日
  • 自分だけのラッキーナンバー

などを選択すると、気分良く長い期間乗り続けることができるだろう。

ちなみに希望ナンバーの費用としてはおおむね4,000~5,000円程度であるため、「数千円で気持ちの良いナンバーが決められる」と思えば、非常にオススメの選択肢といえるのは間違いない。

また下記のリンクにて車のナンバーに関しては詳しく解説しているため、ぜひこちらも併せてご覧いただきたい。

以上、縁起のいいナンバープレートに関する解説を終了するが、最後に「納車されたらすべきこと」について紹介していくのでご覧いただきたい。

6.納車されたらやるべき4つのこと

納車されたら、下記の4点を実施することがオススメだ。

  1. 慣れる(慣らし運転)
  2. 交通安全祈願
  3. 不具合がないか確認
  4. 傷や凹みがないか確認

それぞれ以下に分けて説明していこう。

確認1.慣れる(慣らし運転)

車が納車されてからは、一般的に「慣らし運転」が必要になる。

車そのものの大きさや挙動に慣れるために必要ではあるものの、下記のイラストのように車両自体のウォームアップのような意味合いを持っていると考えてほしい。

車がウォームアップするイメージ

車がウォームアップするイメージ

実は車という工業製品は、オイル類やブレーキなどをなじませることで「本来の力が発揮できる」という側面があるため、必ず慣らし運転をしておくべきである。

ただし「スポーツカーでは1,000㎞走行してから」のように言われることが多いものの、実際には500㎞程度慣らせば安定的な性能となるため、無理に長距離を走る必要はない。

また慣らし運転に関しては急加速や急発進、急ブレーキなどは避け、すべて「緩やかに」を意識すると不具合なく高調子を維持することができる。

確認2.交通安全祈願

日柄などの縁起を担ぐ場合、交通安全祈願もしておくと良いだろう。

交通安全祈願に関しては神社又は寺社に依頼するのだが、比較的大きい人社や寺社であれば対応してくれることが多い。

そして気になる初穂料や祈祷料に関しては神社や寺社にもよるが、おおむね5,000~10,000円前後が相場となる。

確認3.不具合がないか確認

納車された後は、メーカーによる新車保証もあるが「きちんと自分の目で不具合の有無を確認する」ということが非常に重要になる。

というのも納車前、車両の点検時には不具合が無くても「納車後に突然不具合が出る」ということは少なくないのだ。

そのため納車から2~3か月の間は、必ず毎回「どこかおかしなところはないか」と頭の片隅に置いておき、万が一不具合を見つけた場合にはすぐにディーラーなどへ指摘することが重要となる。

確認4.傷や凹みがないか確認

先程も述べているが、納車時には傷や凹みの確認をすべきである。

もちろんディーラーの担当者と磨き業者がきちんとチェックしているものの、光の加減や見る角度によっては傷や凹みが発見される場合もあるのだ。

そして筆者自身もお客様の車の納車日に「これまで気が付かなかった凹みが見つかった」ということがあり、実際に補修とその分の納車後値引き対応をさせていただいたことがある。

そのため必ず納車時には車両を自分の目で確認して、傷や凹みがある場合にはきちんと担当者に「これからどのように弁償(または対応)してくれるのか」と問い詰めることをオススメする。

7.まとめ

以上、車の納車に関するすべての解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。

  • 納車には7つのステップが必要で新車で1か月程度、中古車で2週間程度が必要になる
  • 人気車種によっては最大6か月程度待つ場合もあり、逆に不人気車種は1か月程度で納車される
  • 納車には時間も必要だが「納車費用」などのお金も必要になる
  • 納車の際には必ず車の不具合や傷・凹みなどを確認すべき
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