車のプロが教える運転免許証の種類・更新・取り消し・再交付のすべて

日本では16歳からバイクの免許証、そして18歳から自動車の免許証が取得できる。

そのため年齢に達すると車社会を生き抜くために取得しておくことが多い。

とはいえ実際のところ、免許証には多くの種類があるため、

  • どの免許証でどの車が乗れるのか
  • 免許証を取得する方法は何か種類があるのか
  • 免許証の色はどのようにすれば変わるのか
  • 免許証の取り消しや停止、更新などはどのようになっているのか

など知らないことは多くある。

そこで今回は、自動車ディーラーの営業マンとして一般の方よりも多く免許証に触れる機会が格段に多い筆者が、日本における運転免許証の全容について説明していこう。

特に取得や更新、そして取り消しや停止に関しては「知らないことで数十万円単位の損をしてしまう」ということがあるため、しっかりとご覧いただくことがオススメだ。

※ちなみに筆者自身は普通自動車運転免許証→中型自動車運転免許証→大型自動車運転免許証の順に取得した経歴がある。

1.免許証は全部で10種類

日本で取得できる運転免許証は、大きく分けると全部で10種類ある。

下記に全10種類の取得条件や運転できる範囲をまとめておいたので、ご覧いただきたい。

No.免許証の種類主な取得条件運転できる範囲備考
1普通満18歳以上・原付、軽自動車、普通乗用車
・AT限定はオートマチックトランスミッション車のみ
・ほとんどの人が持っている種類の免許証
・今では9割以上がAT限定免許証
2準中型満18歳以上・車両総重量7.5t未満、最大積載量4.5t未満
・小型トラック(2t、3t車)のほとんどの運転が可能になる
・運送会社が高卒従業員を雇用できるように新設された免許証
3中型普通または大型特殊免許取取得後、免許経歴が通算2年以上(20歳以上)・車両総重量11t未満、最大積載量6.5t未満
・乗車定員29人以下
・4t車(メーカーラインナップの「中型車」)のほとんどに乗れる
・一部を除きマイクロバスの運転も可能
4大型普通または大型特殊免許取取得後、免許経歴が通算3年以上(21歳以上)・車両総重量11t~、最大積載量6.5t~
・乗車定員30人~
・「自動車」「トラック」のほとんどの運転が可能
・大型バスも料金を取らなければ運転可能
5原付満16歳以上・原動機付自転車(AT・MT問わず50㏄未満)
6普通二輪満16歳以上・~400㏄までの二輪車
・「小型限定」では~125㏄まで、AT限定はATのみ
・小型限定ではピンクもしくは黄色ナンバーの二輪車の運転が可能
7大型二輪満18歳以上・400㏄~の二輪車・すべてのバイクの運転が可能になる
8小型特殊満16歳以上・全長4.7?、全幅1.7?、全高2.0?、1500㏄以内
・最高時速15キロ未満
・フォークリフト、農業トラクターの運転が可能になる
・高校の専門科で取得するケースもある
9大型特殊満18歳以上・全長12.0?、全幅2.5?、全高3.8?以内
・最高時速は49キロ以下の自主規制
・大型のショベルカー、フォークリフトの運転が可能
10牽引普通、準中型、中型、大型免許証のいずれかが取得済み(18歳以上)・牽引車・牽引車の車両総重量が750㎏以下の場合、故障者をクレーンまたはロープなどでけん引する場合は免許証は必要ない

一般的に知られている免許証もあるが、特殊免許や「準中型」と呼ばれる免許証については、正直なところよく分からないのが現状だろう。

そこで一度、すべての免許証で運転できる範囲や具体的な車両について、以下に分けて説明していこう。

普通免許証

最もポピュラーな免許証のひとつで、日本国内で最も浸透している免許証といえる。

乗用車のほとんどを運転することが可能であり、現在ではAT車の普及に伴いAT限定で取得する人が多い。

運転できる車は各自動車メーカーから「乗用車」として販売される車で、乗車定員10人以下となる。

準中型免許証

準中型免許証は、2017年から開始された免許形態であり、運送会社が高卒1年目の雇用を獲得することが容易にできるようになった。

というのもそれまで18歳で取得できた普通免許証では、車両総重量5t未満の車両しか乗れず、最大積載量2tを超えるトラックは「重量の仕組み上運転できないため、雇用しても使えない」という状況だったからだ。

つまり簡単に言うと、「業務として実用的な2t車のほとんどが乗れない」という状況だったと思ってほしい。

しかしこの準中型免許証ができたことにより、高卒1年目の人員を雇用しても「業務上差し支えない」ということができるようになった。

そのためあくまで一般の方に必要な免許証ではないものの、建設業界や運送業界へ就職をする高卒生にとっては重要な免許証ということができる。

中型免許証

中型免許証はいわゆる「4tトラック」を運転するために必要な免許証である。

ただし20歳以上で免許経験が2年以上など、取得に関する条件は決してやさしいとは言えない。

とはいえ車両総重量11t未満のトラックは非常に多く、「就職」という観点で見ると非常にコスパの良い免許証ということもできる。

また取得していることでマイクロバスなどを運転することも可能になるため、例えば仲間内での旅行の際には活躍することもでき、プライベートの充実も図ることが可能である。

大型免許証

大型免許証は完全に「業務」として必要な免許証ということができる。

牽引車を除く「地上を走る自動車」のほとんどが運転可能となる免許証で、運送業界をはじめ建設業界でも最も重宝される資格の一つである。

取得要件は免許証経験が3年以上、そして21歳以上である必要があるため、中型免許証と比較すると「少し条件のハードルが高い」というイメージを持ってほしい。

また免許経験と年齢を満たしていれば、実は「普通免許から直接ステップアップが可能」ということができるため、中型免許証の試験などを通す必要はない。

※ただし自動車教習所によっては中型免許証取得後でなければ受講させてもらえないケースもある。

原付免許証

「若者の便利な足」としてポピュラーなのが原動機付自転車の免許証であり、高校入学と同時に取得する若者が多い。

誰もが16歳以上になれば取得可能であり、最も取得しやすい免許証の一つである。

運転できるのは50㏄未満であるためスピードを求めることはできないが、安く自転車よりも便利な足として利用できる点は大いに評価できるだろう。

ちなみに普通自動車運転免許証を取得していれば、自動で付帯するため「車の免許をすぐに取る」という人は、お金の節約のためにも原付免許の取得はしない方が良い。

普通二輪免許証

普通二輪免許証は、正式名称を「普通自動二輪免許証」という。

そしてこの免許証、実は「ガラパゴス免許」と呼ばれることがあり、世界を見渡しても日本だけの免許形態なのだ。

というのも運転できる二輪車は400㏄までと、実に中途半端な排気量に設定されてるからだ。

そのため「大きいとも小さいともいえない中途半端なサイズのバイク」しか乗れず、やや劣等感を抱く人もいる。

とはいえ16歳で取得可能な点や、「通勤用のビッグスクーターが欲しい」という場合には、大いに活躍できる免許証であるため、選択するメリットもあると思ってほしい。

大型二輪免許証

大型二輪免許証は、地上を走る二輪車のほとんどが運転できる免許証だ。

そのため例えば海外製の超大排気量二輪車なども運転できるため、趣味として非常に楽しめる。

とはいえ取得にかかるコストが高いケースも多く、「大人になってから取得する」という人も多い。

小型特殊免許証

小型特殊免許証は、「業務外で使うことはまずない」ということのできる免許証である。

そして必要なシーンの多くは「工場でのフォークリフト作業」や「農作業でのトラクター作業」である。

しかし実際のところ「公道を走らない」という場合には免許証の有無が関係ないケースも多く、工場作業者などは講習を受けているだけのケースもある。

運転できる大きさは

  • 全長4.7ⅿ以内
  • 全幅1.7ⅿ以内
  • 全高2.0ⅿ以内
  • 1500㏄以内

と決まっており、まさに小さな業務用特殊車両だけを運転できる免許証ということができる。

大型特殊免許証

大型特殊免許証は小型と同じく、フォークリフトやショベルカーなど、業務上必要になる特殊車両が対象となった免許証である。

そのため一般の人が使うことはまずなく、ほとんど小型特殊免許しょうと同じと言える。

とはいえ大型特殊免許証はその大きさから「単体で公道を走って移動する」というケースが多くなるため、車両の操作をする可能性があるならば必ず取得すべき免許証ということができる。

牽引免許証

牽引免許証の主な用途としては「大型トラックに付帯させる」ということが最も多い。

また以外にも取得者が少ないというのが現状である。

そのため運送業界では重宝される免許証であり、実際に給料などへ数万円程度反映されるのが普通である。

最大積載量は牽引する車両の「第5輪荷重」や「緩和内容」などにもよるためなんとも言えないのが現状だが、日本国内で最も多く、最も思い荷物が運べる自動車であることは間違いない。

つまり牽引免許証と大型自動車免許性を持っていれば、「なんでも運べる」と言っても過言ではないのだ。

以上、全10種類の免許証について簡単に説明してきたが、実は上記の免許証は「第1種免許」というものである。

そしてもうひとつ「第2種免許証」というものもあり、こちらは特殊性の高い免許証であるため、分けて以下に説明していこう。

2種免許証

2種免許証を簡単に説明すると、「料金をとってお客さんを乗せる」という目的のときに必要な免許証である。

つまりタクシーやバスなどを「料金を取って運行する」という場合に必要な免許証だ。

そのため2種免許証に該当するのは、

  • 普通免許証
  • 中型免許証
  • 大型免許証
  • 大型特殊免許証
  • 牽引免許証

となっている。

また免許証を取得するための試験については後述する方法で変わらないのだが、難易度としては2種免許証が「お客様の命を乗せる」という観点から、非常に難しくなるのが一般的である。

そしてこれまで紹介してきた全10種類の免許証+2種免許証は、全て発行されると12ケタの免許証番号が付与される。

番号にはきちんと意味があるため、次に簡単な説明をしていこう。

免許証12ケタの数字の意味

小ネタだが、免許証には12ケタの免許証番号というものが付与されている。

それぞれのケタに隠された意味は、実は簡単なルールに基づかれており、

  • 1~2ケタ…公安委員会の番号(県ごと)
  • 3~4ケタ…免許取得年(西暦の下2ケタ、2018年取得の場合は「18」)
  • 5~10ケタ…管理番号(公安委員会があなたの免許で定めたランダムな番号)
  • 11ケタ…検査数字(ここまでの10ケタにミスがないか確認している数字で、数字の計算方法などは公表されていないため不明)
  • 12ケタ…免許証の再発行回数(再発行なしなら「0」、1回なら「1」となる)

という意味が付与されているのだ。

代車を借りるときや試乗車に乗る際などに免許証番号を聞かれることがあるため、なんとなく意味を覚えていると「意外と簡単にサクサク記入できる」というメリットがある。

とはいえただそれだけのメリットとなるため、正直筆者としては「覚える必要性はあまりない」と結論づけている。

以上、ここまで免許証の種類について詳しく説明して生きたが、次章では実際に免許証を取得する方法について詳しく解説していこう。

2.免許証の取得方法

免許証の取得方法は、どの免許証であっても大まかに下記の2つに分かれている。

免許証の取得方法
  • 自動車学校
  • 一発試験

それぞれの取得方法については、以下に分けて詳しく説明していく。

方法1.自動車学校

自動車学校に通い、免許証を取得する方法は最もポピュラーなものといえる。

そのため大まかな流れについては知っているかもしれないが、下図に簡単な流れをまとめておいたので見てほしい。

免許証取得の流れ
免許証取得の流れ

自動車学校に通って免許証を取得する方法は主に3ステップに分けられており、

  1. ステップ1…自動車学校で仮免許を取得する
  2. ステップ2…路上教習(一部免許証では路上なし)を修了後、卒業試験に合格する
  3. ステップ3…免許センターに卒業証明書を持っていき、学科試験に合格する

という流れだ。

そのため正直なところ「時間がかかる」ということができる。

ただし自動車教習所はあなたを「お客様」として相手にしてくれるため、実に親切かつ「多少のゆるさ」を持っており、結果的に最も確実に免許証を取得できる方法と言えるのだ。

免許証の種類にもよるが、取得までにかかる時間はおおむね1週間~1ヶ月程度と、比較的長時間がかかるため「ゆっくり取得したい」という人にオススメである。

一発試験

あまり聞き慣れないかもしれないが、免許証の取得方法には「一発試験」というものが存在している。

読んで字のごとく、たった1回の試験に合格すれば取得できるのだ。

そのため流れとしては下図のとおりである。

一発試験で免許を取得する流れ
一発試験で免許を取得する流れ

ご覧いただくと実にシンプルなことが分かるだろう。

しかし実際のところ、当日簡単な運転コースの下見や試運転などができるほかは、本当に一発で試験を受けなければならない。

つまり運転未経験の場合には、その場1回限りのチャンスで自分の「モノ」にしなければならないのだ。

もちろん試験に落ちてしまった場合には、再受験も可能だが、受験にかかる費用は重複して必要になる。

受験にかかる費用はおおむね5,000~10,000円程度だが、受験後の登録や特定教習などを受けることによって総額25,000円程度は必要である。

また一発試験の合格率は公表されていないものの、一般的には「5~10回程度受験して受かるかどうか」という程度であるため、何度も受験すると10~20万円程度の費用は“最低でもかかる”と覚悟しなければならない。

そのため筆者としては一発試験ではなく、自動車教習所に通って免許証の取得をすることがオススメである。

以上が免許証の取得方法だったが、合格して免許証の発行をするためには様々な書類を提出する必要がある。

そこで次に、必要書類についてまとめておいたのでご覧いただきたい。

免許証発行に必要な書類は6つ

免許証を発行するときに必要となる書類は下記に挙げた6つである。

  1. 本籍(外国人の場合は国籍)記載の住民票1通
  2. 本人確認書類
  3. 運転免許証
  4. 仮運転免許証
  5. 卒業証明書
  6. 申請用写真

それぞれ以下に分けて簡単に説明していこう。

本籍(外国人の場合は国籍)記載の住民票1通

免許証を管理している公安委員会の管轄であることを示すために、住民票が必要である。

取得は市区町村役場または出張窓口などで可能であり、200~300円程度を支払うことになる。

本人確認書類

健康保険証やマイナンバーカード、パスポートなどで本人確認が可能。

外国人の方は在留証明となる、通称「在留カード」が必要。

運転免許証

これまでに他の運転免許証を取得している場合には、併せて免許証の提出をする。

ただしこれまでの免許証を提出する場合には、上記した本人確認書類や住民票がなくても証明できるため、必要なくなる。

仮運転免許証

自動車教習所や試験場で取得した仮運転免許証で、免許証を発行するためには必須。

卒業証明書

自動車教習所に通っていた場合には、卒業証明書が必要になる。

多くの自動車教習所では、卒業時に卒業証明書と仮運転免許証をセットにしてまとめてくれる。

申請用写真

申請用に縦3.0cm、横2.4cmの胸から上が写っている証明写真が必要で、都道府県によって指定が異なるため1~2枚用意する。

ただし自分で用意せずとも、免許センター内で新たに写真撮影をしてくれるため、心配する必要はない。

また写真撮影の際には、本人であることが間違いなく分かるように

  • カラーコンタクトNG
  • 視力矯正器具や聴力補助器具を持っていく

という点に注意しなければならない。

以上が必要書類だったが、住民票以外は特別に用意する必要のないものばかりだ。

ただし書類が一つでも欠けている場合には免許証の発行がされないため、慎重に確認することをオススメする。

また次章では免許証の更新方法についても説明していくが、内容はそれほど大きく変わらないため気楽に読み進めてほしい。

3.免許証の更新方法

免許証の更新をしていく流れは下図の通りである。

免許証更新の流れ
免許証更新の流れ

それぞれの詳細については、下記にしていく。

流れ1.はがきが届く

管轄の都道府県警から免許証の更新に関する案内のはがきがあなたの住民票の住所地に届けられる。

タイミングはバラバラだが、間違いないのは「誕生日の35日より前」ということだ。

ちなみにはがき自体は紛失してしまっても問題ないが、必要な手数料金額や書類、講習の目安時間などが案内されているため、確実に保管しておくことをオススメする。

もし更新ハガキが届かない場合は、筆者が管理している別サイト「運転免許更新のハガキが来ない場合の対処方法」をご覧頂きたい。

流れ2.免許センターや警察署などで更新

更新自体は一般的に住民票のある都道府県内の免許センターで行う。

しかし住所地の近くに免許センターがない場合などは、地域を管轄する警察署でも更新を受けつけている場合があり、更新にかかる内容はまったく同じである。

また更新時には

  • 視力検査
  • 必要書類の提出
  • 講習の受講
  • 手数料の納付

という大きく分けて4つの作業が必要になるため、それぞれ以下に分けて紹介していこう。

視力検査

視力検査は毎回の更新時に行われる。

そして合格基準は

  • 普通・中型(8t限定)・二輪・大型特殊免許証…両目0.7以上かつ片目がそれぞれ0.3以上
  • 原付・小型特殊免許証…両目で0.5以上
  • 大型・中型・牽引・2種…両目0.8以上かつ片目がそれぞれ0.5以上かつ深視力検査の誤差平均が2cm以内

ということになっている。

仮に視力検査が通らなかった場合には免許証の更新ができないため、「視力が悪くなったかも…」という場合には、きちんと見えるメガネやコンタクトレンズを用意することをオススメする。

必要書類の提出

更新時の必要書類(モノ)は下記4点である。

  • 更新案内のはがき…紛失してしまっても問題なく、窓口で手続き可能
  • 印鑑(認印で可)
  • 旧免許証
  • 高齢者講習修了証明書…75歳以上の方

はがきを紛失してしまっても、窓口で講習区分などの検索をしてくれるため問題はない。

ただし旧免許証は「交換」という形で新免許証をもらうことになるため、必ず持っていかなければならない。

そのため多くの人が「旧免許証」と「印鑑」の2点だけが必要書類になる。

講習の受講

更新時に、改めて交通法規などを簡単に学び直すための講習を受講する。

5年間無事故無違反だった優良運転者は30分程度、一般運転者は1時間、違反運転者および初回更新者の場合には2時間程度の講習を受けることになる。

講習にかかる時間ははがきにも書かれているが、あらかじめ書類提出などの時間を加味して「1.5~3時間程度はかかる」と思っておいた方が良いだろう。

手数料の納付

免許証の更新にかかる手数料は、下記の通りである。

  • 優良運転者…3,000円
  • 一般運転者…3,300円
  • 違反運転者…3,850円
  • 初回運転者…3,850円

また手数料を支払う際に「交通安全協会への加入」として追加500円の支払い求められることがあるが、あくまで任意であるためきっぱり断っても問題ない。

流れ3.更新完了

以上すべての手続きが完了すると、晴れて更新完了として新免許証が発行される。

とはいえ念のため免許証に記載されている取得免許証の種類や住所地などの記載事項をきちんと確認して、正しいかどうかをチェックすることをオススメする。

そしてよくあるのが「住所が変わっていて、反映されていない」というケースだである。

この場合には更新前でも更新後でも構わないが、変更後の住民票をもって管轄の警察へ行き、「住所変更をしてください」と依頼すれば問題ない。

そうすると免許証の裏面に変更後の住所地を記載してくれるのだ。

以上の説明から、免許証の更新に関しては十分理解できただろう。

そして免許証の更新と言えば「免許証の色が変わるイベント」としても有名である。

一体どのように免許証の色が変わるのか、そして色が変わる際の注意点などについては次章にて詳しく説明していこう。

4.免許証の色の種類

免許証の色には3種類あり、「グリーン」「ブルー」「ゴールド」となっている。

それぞれの色の意味については、下記の通りである。

免許証の色は3種類あり
  1. グリーン…最初の免許証を取得した時の色
  2. ブルー…更新後の色で、「一般運転者」「違反運転者」「初回更新者」が該当する
  3. ゴールド…前回の更新(取得)から、5年間無事故無違反で更新した人

更新の有無や更新時の年数・事故・違反の状態などによって色は変化するが、特筆すべきは「ゴールド免許であれば自動車保険の割引が利く」という点だろう。

実はどの保険会社でもゴールド免許割引というものが用意されており、おおむね10%前後の保険料割引がされる。

そのため例えば「今年ゴールド免許になる」という場合には、できる限り早いタイミングで免許証の更新をしておくと低リスクで割引が受けられるのだ。

また実際に筆者が体験したケースだが、5年間無事故無違反でもゴールド免許証にならないケースもある。

イメージしやすいように下図をご覧いただきたい。

ゴールド免許の取得条件
ゴールド免許の取得条件

このように更新を待つタイミングで別の免許証を取得し、書き換えをしてしまうと「さらにブルー期間が延びる」といった現象になってしまうのだ。

実際に筆者自身、5年間の無事故無違反で良いところを、合計6年半も無事故無違反期間が延びることによって保険料などを損する期間が増えてしまった。

そのためあなたが今新たな免許証の取得を考えている場合には、現在の免許証の色と更新・書き換えのタイミングについてしっかり考えることで損を防ぐことができるのだ。

以上、免許証の色についての解説を終了するが、次章では最後に免許証の取り消しや停止の要件について解説していこう。

5.免許証の取り消し、停止の要件

せっかく取得した免許証は、違反などによって取り消しや停止処分を受けることがある。

その場合には該当期間において運転ができなくなるため、日常生活はおろか仕事にも差し支える可能性が非常に高い。

そのため免許証の取り消しや停止に関してはシビアに注意しなくてはならないのだ。

そして免許証の取り消しや停止に関しては、違反などによる「減点」が深く関係しており、基本的に

 
  • 免許証取り消し…15点以上の減点(過去3年以内に免停がある場合には、4~10点の減点で取り消し)
  • 免許証停止…~14点までの減点(過去3年以内に免停がある場合には、2~9点で停止)

という条件になっている。

そして違反による主な減点をまとめたのが下記の表である。

主な違反の種類減点数酒気帯びによる減点数
0.25未満0.25以上
酒酔い運転35
大型自動車等無資格運転121925
酒気帯び運転0.25以上25
0.25未満13
過労運転等25
無車検運行61625
速度超過50以上121925
30(高速40)以上50未満61625
25以上30(高速40)未満31525
20以上25未満21425
20未満11425
信号無視赤色等21425
点滅21425
駐停車違反駐停車禁止場所等21425
駐車禁止場所等11425
携帯電話使用等(交通の危険)21425
携帯電話使用等(保持)11425
免許条件違反21425
初心者運転等保護義務違反11425
停止措置義務違反11425
※出典元:警視庁のホームページ「交通違反の点数一覧表」より

基本的にこれらの減点数の累計で免許証の取り消しや停止の可否が分かれることになる。

とはいえ仮に免許証の取り消しや停止処分を受けた場合、気になるのは再交付についてだろう。

その点については以下に解説していく。

再交付の条件

まず免許証が停止処分を受けた場合については、下記の通りの停止期間が適用される。

  • 6点以上の減点…30日間
  • 9点以上の減点…60日間
  • 12点以上の減点…90日間

ただし過去3年間に免停の前歴がある場合には、2~8点の減点で、60~180日間の免許証停止の処分を受けることになる。

また免許取り消しの処分を受けたとき、再交付をするには下記の流れとなる。

免許証の取り消し処分
免許証の取り消し処分

ここで気になるのは「欠格期間」だろう。

欠格期間とは免許証取り消しの処分の度合いによって決められている「免許を取得できない期間」のことであり、減点数によって下記のように変化する。

  • 15~24点…1年
  • 25~34点…2年
  • 35~39点…3年
  • 40~44点…4年
  • 45点~…5年

ただしこちらに関しても、前歴の有無によって4~40点の減点で、1~5年の欠格期間が付与されてしまうので注意が必要である。

また上記の点数および欠格期間は「一般違反行為」といって、スピード違反や信号無視などの違反行為のケースであり、ひき逃げや酒酔い運転などの「特定違反行為」という悪質な違反は加味されていない。

そして特定違反行為の場合には最大10年間もの欠格期間が付与されるため、注意すべきといえるだろう。

また違反ではなく「免許証の更新を忘れてしまった」という場合は、取り消しではなく失効という扱いになる。

そのため単純に「イチから免許証を取得し直す」ということになるため、更新期間についてはきちんと把握しておき、間違いなく更新手続きをすることが重要である。

スピード違反については、下記記事で詳しく解説している。

6.まとめ

以上、免許証に関するすべての解説を終了するが、最後に当ページの内容をまとめておこう。

  • 免許証は全10種類あり、中には「第2種免許証」というものもある
  • 免許証の取得方法は「教習所」「一発試験」の2種類が基本
  • 免許証の更新はタイミングに注意しなければ自動車保険で損することがある
  • 免許証の停止・取り消し処分を受けた場合には、重いペナルティとして長期間の停止および欠格期間が付与されてしまう
  • 免許証の失効をした場合には、単純にイチから取得し直さなければならない